イタリア世界遺産の旅。
妻のリクエストが、フィレンツェ。たしか、竹之内豊主演「冷静と情熱のあいだ」のロケ地だったな…
私が印象に残ったのは、カプリ島にある青の洞窟。気象条件が揃わないと洞窟に入れない。カプリブルーの碧い海が幻想的だった。
ミラノ
ミラノは、イタリア北部に位置するロンバルディア州の州都で、イタリア第二の都市。ファッションとデザインの中心地として世界的に有名で、多くの国際的ブランドが集まる。毎年開催される「ミラノ・ファッションウィーク」には、世界中から多くのファンを引き付ける。
また、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」が見られるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院や、壮大なゴシック様式の「ドゥオーモ大聖堂」、スカラ座などが有名だ。とりわけ白亜のドゥオーモに圧倒された。
ショッピングは、ガッレリアへ。ガラスの天井を持つアーケードは、世界最古のモール。さすがに高級店ばかりが立ち並び、お土産に買えるものはなかった。
なにやら、プラダ前の雄牛のモザイクに、人だかりができていた。雄牛の股間の上で、かかとを軸に3回転すると「幸せになれる」という伝説が残っているそうだ。みんな、かかとを軸にくるくる回っていた。
ヴェネチア
ヴェネチアは、イタリア北東部の都市で、ヴェネト州の州都。「水の都」とも呼ばれ、街全体が運河で構成されている独特の景観が特徴だ。ゴンドラや水上バス(ヴァポレット)が人気で、街を水上で移動する独自のスタイルが観光客を楽しませる。
サンマルコ大聖堂からドゥカーレ宮殿をめぐり歩いた。写真は、街のシンボル「有翼の獅子」。中世からルネサンス期にかけて、地中海貿易の拠点として繁栄し、文化や芸術の中心地として栄えた。毎年開催される「ヴェネツィア・カーニバル」や、世界中から映画ファンが集まる「ヴェネツィア国際映画祭」も有名。
そして、ゴンドラ遊覧。イケメンの漕ぎ手ゴンドリエーレが、運河にかかる400の橋をくぐりながら歌ってくれる。
最大の見どころが、リアルト橋。その大きさ故に別名「白い巨象」と呼ばれ、運河カナル・グランデに架かる最古の橋。石造りのアーチ型デザインが特徴的で、中央にはたくさんのショップが並んでおり、買い物をする観光客でにぎやかだ。
フィレンツェ
フィレンツェは、イタリア中部トスカーナ州の州都で、ルネサンス文化が花開いた都市とされる。歴史的な建造物や美術品が多く、芸術や文化の宝庫として知られている。象徴的な建造物が「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)」で、壮大なドーム(クーポラ)は建築家ブルネレスキによって設計された。
「花の都」と呼ばれるフィレンツェの歴史地区へ移動。シニョーリア広場にひときわ際立つドゥオーモは、ルネサンス芸術の最高傑作とされる。別名、花の聖母教会。妻は、ひときわ感動したようだ。
ウフィツィ美術館にも入館。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ボッティチェリ、ミケランジェロといった著名な画家の作品が展示されている。特にダ・ヴィンチの「受胎告知」とボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」が強く印象に残った。
ウフィツィ美術館から、フィレンツェ最古のヴェッキオ橋も見えた。橋では、多くの宝石店が軒を連ねている。
ピサの斜塔
ピサの斜塔は、イタリア・トスカーナ州ピサにある鐘楼。1173年に建設が始まるも、地盤沈下により傾いたまま完成し、その独特の姿が世界的に有名になった。20世紀後半に傾斜が危険レベルに達したが、修復作業により現在では安全に観光することができる。
自由時間に、オプショナルツアーで、ピサの斜塔に行ってみた。傾き3.97度、高さ約56mの白い大理石の塔には、約300段のらせん階段があり、上まで登ることができる。幼少の頃から実際に観てみたいと思っていたので、感激もひとしおだった。
ローマ
ローマはイタリアの首都で、ラツィオ州に位置するイタリア最大の都市。「永遠の都」と呼ばれ、紀元前753年に建設されたとされるローマ帝国の中心地だった。歴史と文化の層が深く、紀元前から現代に至るまで、さまざまな時代の建築物や遺跡が残っている。
トレビの泉は、願いを込めてコインを投げ入れる習慣が有名。コインを投げ入れると、ローマに戻ってこれるという。しかし、現在ではコインの投げ入れは禁止になった。
ローマ市内にある独立国家ヴァチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂やシスティーナ礼拝堂を見学し、壮大なコロッセオに入場観光。映画でよく見る光景に感動する。スケールの大きさに圧倒され、ローマ帝国の栄華を感じずにはいられない。
ポンペイ
ポンペイは、イタリア南部カンパニア州にある古代ローマ時代の都市。紀元79年にヴェスヴィオ火山の大噴火によって火山灰に埋もれ、一瞬にして消滅してしまった。良好な状態で発掘され、当時の生活様式や建築様式がわかる貴重な遺跡である。住居、浴場、神殿、劇場、商店などがそのままの姿で残り、壁画やモザイク、美術品も豊富に見つかっている。
人々や動物の姿も火山灰から型取りされ、逃げ惑う悲劇の瞬間をリアルに伝えている。石膏で復元した遺体がとても痛ましい。
アマルフィ海岸
アマルフィ海岸は、イタリア南部カンパニア州に位置し、世界でもっとも美しいとされる海岸。断崖絶壁に沿って色とりどりの家々が建ち並び、地中海の美しい景色が広がる世界有数のリゾート地。
ナポリ湾のソレントから約40kmも延びる海岸に沿って、狭い路地をたくさんの観光バスがすれ違う。路肩には、変な日本語の移動販売車が停車していて笑えた。風光明媚な景色とリラックスした雰囲気が、とても癒された気分にさせてくれる。
カプリ島・青の洞窟
ナポリは、ローマ、ミラノに次ぐイタリア第三の都市。ヴェスヴィオ火山を背景にした風光明媚な景観は、「ナポリを見てから死ね 」という諺があるほどだ。世界三大夜景(ナポリ・函館・香港)のひとつにも数えられている。
カプリ島は、ナポリ湾に浮かぶ美しい島。その美しい海岸線、透明な青い海、断崖絶壁の風景で知られ、「青の洞窟」が人気の観光スポットになっている。洞窟に差し込む光が、海底の白い砂に反射して水面を幻想的な青に輝かせる。その神秘的な青い海をカプリブルーと呼ぶ。
青の洞窟は、かつてローマ皇帝ティベリウスも訪れたと言われ、その神秘的な美しさから「一生に一度は訪れるべき場所」と称されることもある。
洞窟の入口は狭く、海が穏やかな日しか入れない。その景観もさることながら、洞窟に入れる確率が低いため、さらに人気に拍車をかける。
大きなボートで洞窟に向かい、洞窟手前で手漕ぎの小舟に乗り換える。たくさんの小舟が順番待ち。船頭が波の満ち引きのタイミングを見計らい、頭を低くして一気に洞窟へ滑り込む。スリリングで、ちょっとしたアトラクション体験が味わえる。
そして、洞窟の中は、カプリブルー!
洞窟内の暗闇と青い光のコントラストがさらに強調され、水中が青く発光しているように見える。異世界に迷い込んだような感覚とでも言えばよいだろうか。洞窟の奥行き54m、高さ15m、水深14mから22mのとても狭い空間。陽気な船頭の歌うカンツォーネの音色が、洞窟のなかに響きわたる。青の洞窟にリピーターが多いのも頷けた。
あとがき
カプリ島に停車していたチンクェチェント。潮風で錆びた古いチンクェチェントも絵になる。
イタリアの街は、州によって独特の個性と雰囲気を醸し出していた。同じような歴史地区が並んでいる他の国とは、あきらかに様相が違う。天候に恵まれ、カプリブルーを体験できたことも良い思い出になった。魅力的なイタリア、次はシチリア島にも行ってみたい。
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